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写真:山王山石仏 |
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中尊が釈迦如来、右に薬師如来、左に阿弥陀如来。三体ともに顔は丸く額はせまく首は短い。目鼻も小じんまりとして、童児の純真無垢な御面相が良くあらわれ、最も素朴な人間味のあふれた仏像である。 昭和二十九年の春、故安井曾太郎画伯がご夫婦にて石仏を訪れた。あいにくの小雨降る中で私は画伯を案内したが、画伯はこの石仏をひどく気に入り、スケッチブックを取り出し、熱心にスケッチしていた。傘をさしかけた私の耳元で「各所を回ってきたが、未だかつてお目にかかったことのない童顔相。おそらく天才の手によるものだ」と激賞した。 この屋根は、昭和三十三年と五十八年に二度にわたって改築され、現在に至っている。 また、これはお釈迦様の子供の時の顔ではなく、私たちや皆様の子供のころの顔である。 ここ臼杵の石仏は人間一生の人生行路をこの山王山の石仏をスタートにこれから回って行く堂ヶ迫石仏の青年、壮年、ホキ石仏の老年時代と、実に良く刻みこまれている。
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著者 故・宇佐美昇は父の後を継ぎ半世紀以上、石仏の案内人を勤め 深く臼杵石仏と関っていくうちに物言わぬ石の仏たちが建立から永いときを経てもなお私たちに語りかけているそのかすかな呟きを感じ・考え・書きとめてきたものです。この本は昭和61年に書かれたものです。この本を書いた当時とは現在時代背景など大きく変化しておりますが。著者の意向を尊重して、ほぼ手を加えず原文のまま公開しております。 |
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